我ら結社・創造

空前絶後の法大非公認サークル、結社・創造です。

【神回】例のあの人にあの手この手でアレを食べさせてみた

(結社・日替わり第十一回ブログ)


美人です。 いつもはブスをこき下ろしていますが、今回は彼の誕生日にちなんで、以下の文章を執筆しました。誕生日おめでとう。

初代神。部誌などでは舞浜のホームレスを自称する彼が周囲の人間からこのような呼ばれ方をするのは、彼のあんまりな「底の知れなさ」に由来する。

曰く、毎日1日3時間睡眠で活動しているとか、レスバが最強とか、自他認めるスーパージーニアスプロフェッショナルコンビニ夜勤店員であるとか、IQが500あってMENSA会員に匹敵する頭脳を持つとか、インフルエンザをほんの数時間で完治させたとか、家を3つ所持しているとか、女装姿があんまり美少女なものだからいつもナンパされてしまうとか、就活はしていないのに終活はもう始めているとか、髪の色がほうれん草のようであるとか、話題に事欠かない。

このように「ハハーン、さては二次元の存在だな?」と言いたくなるような、存在がツッコミ待ちの彼であるが、それでも弱点は一つだけ存在する。

――彼は野菜が嫌いだ。

彼が強すぎるからそんな絞りカスのような弱点しか捻り出せなかったのか、と思われるかもしれないがそうではない。というのも、彼の野菜嫌いは「かなりの」ものなのである。

我々一般人は野菜嫌いと聞くとせいぜい「あ〜、ファミレスに行くとセットのサラダ残す人いるよね」とか、「私も野菜を食べなくていいときはわざわざ好き好んで食べないよ」とかいう反応を示すだろう。しかし、

そう言ってられるのも今のうちだ!!!!(『五体大満足』(結社学祭部誌、『死について』より引用))

彼は野菜を食べない。本当に食べない。

一緒にご飯を食べに行っても(結社・創造はしっかりと新型コロナウィルス対策をしています)、野菜が目に見えて入っている料理は頼まない。ラーメンとかミートソースとかオムライスとか唐揚げとか生ハムとか、そういうものを注文する。そこまでは良い。

〜以下回想〜

ラーメン屋に足を運ぶ結社・部員たち。お待ちどうさまとラーメンが運ばれてきて、美味しそうな湯気が立ち上っている。さて、いただきますと手を合わせ、ふと横を見た私は戦慄した。

神「(細かく切られたネギをスープの中から探して全て除けている)」

私「!?!?!?!?」

〜回想終わり〜

ふーん、ラーメンに入ってるネギって思ってたより結構多いんだな、と思った。
それにしても労働と対価が見合っていないような気がする。(他のバージョンとしては、刻まれたマッシュルームを全部除ける等が存在する。)


こんな感じなので、日々の食事で絶対にビタミンとか摂取できてない。もしやその緑髪で光合成でも行っているのではなかろうか?最近ではキショい量のサプリメントを服用しているらしい。

そんな彼を結社が放っておくわけはなく。


「面白そうだからほうれん草食わしてみようぜ」


こんなわけでこのような企画が相成ったのである。
以下は私による二次創作。


▽▽▽


私たちは彼を「みんなでご飯を作って食べる会」を開催するという体で、某所にあるジョウシキ(結社・メンバーの一人)宅に招いた。
いつもなら様々な面で「加害者」側の彼だが、今回ばかりは「被害者」になるべくしてここに存在している。こんな貴重な機会に、我々はニチャ笑いを隠すことが出来なかった。

とりあえず料理ができるものは台所に移動する。私は"料理ができないわけではない"はずなのだがなぜか止められたので、台所の人間たちに後ろからちょっかいをかけることにした。

どうやら1品目は「ほうれん草のおひたし」らしい。なんだかすごく凝った作り方をしている。せいぜい私が作るときは、ほうれん草をゆがいた後に水気を絞り、鰹節を振りかけ醤油を垂らして完成、くらいだが、今回はなんと出汁から引いている。
正しく調理されて彩りも鮮やかなそのほうれん草は綺麗に盛り付けられ、遂に食卓に供された。出汁と鰹節の匂いが上品に香り、私を誘惑してくる。望み薄だが、ここまで美味しそうであればあるいは…?

と思ったが、結論からいえば彼は食べなかった。わかっていた。
聞くまでもないことだが、一応「こんなに美味しそうなのに食べないの?」と尋ねた。

「野菜とか食べるわけないでしょ」
彼はそう言った。私たちの分のおひたしが増えた。これはこれで気分が良い。

気を取り直して2品目は、ほうれん草を使ったキッシュらしい。オシャレ。
キッシュとは具体的に「パイ生地・タルト生地で作った器の中に、卵、生クリーム、ひき肉やアスパラガスなど野菜を加えて熟成したグリュイエールチーズなどをのせて、オーブンで焼き上げる。ロレーヌ風キッシュ(キッシュ・ロレーヌ)では、クリームとベーコンを加える。ナッツ類を加える場合もある。生地ごと三角形に切って皿に出す。地中海沿岸の地域でも一般的な料理である。」らしい。Wikipediaから引用。

調理風景を眺めているとキッシュに入れられるほうれん草は割と小さめに切られているらしい。バターがたっぷり使われてサクサクとしたパイ生地が、濃厚な生クリームと卵を包み込む。ほうれん草は彩りを添え、カリッと焼かれた賽の目状のベーコンが香ばしい。それでは焼きたてを召し上がれ。


「これ御大とお嬢にあげるよ」
案の定私たちのお腹に納まった。大変美味であった。

ここまで私が良い思いをするばかりだったので、この辺でキメたいところ。最後はこちらだ。
ほうれん草のプリン。なにも正攻法で攻めなければいけないという決まりはないぞ、という気合いが見て取れる逸品となっている。
抹茶プリンに見立てているらしい。ただ、ほうれん草の繊維は潰しきれなかったらしく、少しつぶつぶしているというか、溶けきっていない。正直これは好き嫌いしない私でも躊躇する仕上がりになっていた。だってプリンとほうれん草って絶対仲良くできないじゃん。
そんなわけで彼に「抹茶プリンです」と紹介した上で100回土下座して0.001mgくらいだけでも食べてもらおうとしたが、ダメだった。バレていた。
まあ、見た目があからさまだったし…………。

そんなところで彼は一息つこうと緑茶を飲んだ。怒涛のほうれん草料理3連戦だったから仕方ないね。
と、その瞬間口を開く。

「これ喉キュってなった!これなんか入れてるな?」

なんでバレたの怖!!!!!!!!!!
そう、私たちの本命は緑茶だったのである。といっても、乾燥したほうれん草をふたかけらばかり仕込んだだけだが。


結局彼の伝説に、「毒物(野菜)が体内に入ると身体が全力で拒絶反応を起こす」という新たな項目が追加されたのだった。




作、美人