(結社・日替わりブログ第八回)
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××日から気温が30℃をこえています。
あたたかいことはよいことです。
熱というのはエネルギーです。
エネルギーというのは生命のみなもとです。
ママが言っていました。
命はとうとくて大切なものです。
たん生はおめでたいことなのです。
お母さまは新たな命を産むために努力しているのです。
ぼくたちの兄弟を産むためにがんばっているのです。
そろそろ時間になるでしょう。
ぼくたちの兄弟はやさしいお母さまの手の上に生まれ落ちます。
お母さまはこれまで大変ご苦労なさいました。
多くの場所で何度も失敗してきました。
最後のチャンスを果たすのにこの街はふさわしいのです。
ママは喜んでいました。
ついに2週間が経とうとしています。
たまごは十分に温められました。
今日を無事にむかえられたことに感謝いたします。
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彼が教会を出ると、今年一番高く見える太陽が雲ひとつない空に手を広げていました。まだ柔らかい肌を熱が焼いて、光が突き刺します。それでも痛みは喜びだと、ママが語ったことを思い出せば自然と笑みが溢れます。
家に向かう道には、人も犬も猫も蟻もいませんでした。ちょうど太陽しかない空と同じように、彼は彼にとっては広い道の真ん中を、一人で歩いていました。
彼の家のある住宅街に入ると、「穴」があることに気がつきました。同級生の住む家が、そこだけ抉り取られたようにただ浅く「穴」になっていました。「穴」は彼の家に近づいていくほど増えていきました。教会を出てそれほど歩いていませんが、彼のシャツは汗まみれでした。
彼の家はやはり、「穴」になっていました。屋根裏部屋のある2階建ての立派な家は、浅く地面ごと抉り取られて無くなっていました。彼は道路に立ったまま、その「穴」を黙って見ていました。
しばらくして、頭がクラクラしてきました。ジリジリと蒸されるような感覚は、昨日までの暑さとは比べ物にならないものです。朦朧とした意識の中で、彼は自分の後ろにこの暑さの意味がいると直感します。
「「ඁ腹㲳った⎈ブ瓚ඁ섰」」
後ろから、高く声を上げながら兄弟は近づいてきます。バサバサと大きな羽音が彼の背中を叩きました。それでも、彼は「穴」を見つめ続けています。
「「れしノⱪ༠?」」
兄弟はついに彼の身体に触れます。暑さに体力を奪われた軽い身体は簡単に持ち上がります。彼は抵抗をしません。ママは言いました。「お母さまは幸福に導いてくれるのですよ」と。兄弟は、お母さまの子であり、大切な生命です。彼はそれを分かっていました。
死を前⡨して氍持ꀂが惡遄
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彼に침豣て
神楃で꽴た
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__________ごくん。
作、みちのえき
あとがき
暑いですね。外出たら死にますよ。