我ら結社・創造

空前絶後の法大非公認サークル、結社・創造です。

日本脳炎の時に見た夢

(日替わり結社ブログ第三回)

 

 

夢か現か、空から高質量の何かが降っている、当たったら痛そうだし傘をさすことにした、そう考えたが傘が無い、仕様が無いので腹部を刺すことにした。当然と言えば当然だが中から臓物が出てくる、此方もまた当然と言えば当然だが紫色の液体も出てくる。血が出た血が出たと小躍りしながらつい先程まで居た軒先から公道へ飛び出すと、予想通り車に撥ねられる、はずだったがそれ以上の速度で高質量の何かが脳天に直撃する。痛い、有り得ない程に痛い、そこへ間髪を入れず公道をそれなりの速度で走っていた80式戦車が突っ込んで来る。これが本当の泣きっ面に8だ、と言ったことを呑気に考えながら戦車に轢かれてみると思った程痛くない、何なら先程の高質量の何か脳天直撃事件の方が痛かったくらいだ。背骨が折れたような気がするのでくっつけていると戦車の運転手が慌てて降りてくる。なんとこの運転手は無免許の酒気帯び運転だったようだ。酒気帯び運転のくせに轢き逃げしない判断力はあるのかと感心していると、此方を素通りしていく、どうやら彼奴の関心は空から降ってきている何かに向いているようだ。それもそのはず、その何かは地面に当たると消えてしまうので正体がわからなかったのだが、私の頭という緩衝材を挟んだ事により1つそこに消えず残っている。実際私も気になる、運転手の気持ちもよく分かる、けど先ずは私を介抱するべきじゃないかと頭を抱える。とは言え何だかんだで無事であった私は頭を小脇に抱えながら何かを見に行くとそこでは運転手が何かの塊を飲み込んでいる衝撃的な光景が繰り広げられている。恐る恐る聞いてみるとそれはワンカップ大関だと言う、其れを聞いて小汚い人々が口を開け上を向いていた理由に合点がいった。これで様々な疑問が解決したから本来の目的を果たすことにしよう。そもそも私は高熱で病院へ向かう途中だったのだ空から降り注ぐワンカップ大関も公道を走り回る戦車も私の左脇に抱えられている私の頭部も高熱による幻覚に違いないだろう、そうだ、そうに違いない、そう考えながら目の前を走る野良漠を捕まえて病院へと向かった。病院へ着くとそこは頭部を怪我した人間で溢れかえっていた。十中八九ワンカップ大関の所為であろう、こういった時に私は自分の頭蓋骨の硬さを確信し少し良い気分になる。しかし、そんな事は今はどうでもよい、こんなにも混雑した病院では診察が受けられるのだろうか、一抹の不安を抱えながら、ついでに左腕が疲れたので抱えた頭部を右脇に持ち替えながら、診察の為の整理券を取得した、ついに熱で頭が本当に可笑しくなったのかそこにはiと書かれている、整理券に虚数とはこれ如何に、と疑問符を浮かべながら電光掲示板を確認すると既に私の番号が表示されている、あまりにも都合の良い展開に非現実的さを感じたが事実は小説よりも奇なりと言う言葉が有るくらいなのだからそういう事であろう、と妙に納得し、浮かべていた疑問符を鞄にしまい診察室へ向かった。診察室へ入るとなんと、先程の運転手が居るではないか、彼奴はあの様な奇行を行いながらも本職は医者であったらしい。藪医者どころか樹海医者と言えるほどに怪しい医者だが大丈夫なのだろうか、と考えていたのも束の間、滞りなく診察が終わる。彼奴曰く私は日本脳炎だと言う、そしてお前は病人なのだからこんな所へ外出するのではなく帰って安静にする様にとも言う、それが医者であり先程人を轢いた人間の言う事か、と思いながらも確かに体調は良くないので帰って寝る事にした。そう言えば、よく聞く言葉に風邪の時に見る夢だとかがある事を思い出した、ならば日本脳炎の時はどの様な夢を見るのだろうか、折角だし夢日記を付けてみよう、その事を忘れない様に「日本脳炎の時に見た夢」と題名を書き記し私は眠りについた。

 

 

作、初代神